実際に体験してみることが大事!アメリカで飲食店を開業した日本人夫と私の想い
4月の中旬、自分たちがアメリカで経営していた日本食レストランのお店をたたみました。
私たち夫婦はちょうど2年前に、アメリカのとある場所でレストランのオーナー権を購入し、日本食レストランを始めました。そして今日、そのオーナー権を売却しました。
●「ちょっと緊張!アメリカで飲食店を売りに出した際の私のエスクロー体験談」
夫はアメリカでマネージャーや管理職としての経験はありましたが、自分の店を持つのは初めてで、従業員としてしか働いた経験しかありませんでした。でも夫は自分のお店を出したいという想いがあり、とにかく最低1年は必至にやってみよう、と決意してお店をスタートしました。
私に関して言えば、まだ渡米して3年経ったところで、英語力は微妙、その上アメリカでの就職経験ほぼゼロ。そんな状態で「何が何だかわからないけど、夫を手伝うか」と始めることになりました。
2人ともオーナーになった経験が無いので、「ああした方がいいのではないか」、「こうした方がいいのではないか」と試行錯誤しながら二人三脚でやってきたという感じです。
もちろん2人の考え方が違う所があり、経営方針で大げんかすることがこの2年はほんとにたくさんありました。
次にもし、何かを始めるならば、絶対に夫婦ではやらないと決意が出来ているくらいです(笑)。
この2年は自分にとってとても長く、辛い道のりで、もう投げ出してしまいたい・・と発狂しかけたことが何度もありました。お店を毎日決まった時間に開けるって簡単な様ですごく大変ですし、やっていることは地味ですし、それこそ修行の様な2年でしたね(笑)。
アメリカのカスタマーサービスのことももいまいちよくわかってませんでした。というのもアメリカと日本のサービスって全く違うのです。
アメリカ人ってフレンドリーですし、人と気さくに話す文化ですが、レストランでもそれは同じ。なのでお客様と話すことがサービスの1つでもあります。
それが英語出来ない自分には辛かったです。オーダーを取って、食事を提供する、だけではなくて、プラスお客様の話し相手のような感じ。
私たちのお店は日本人のお客様が対象ではなく、日本食に興味を持つ地元のアメリカ人対象としていたので、日本人のお客さんってごくわずか来店しませんでした。
お店では私が最年少でもあり、一番英語が出来ない自分がボスにつく状況で、前オーナーの時から引き続き、私たちの元でも働くと言ってくれた従業員の人達も心配していたと思います。
「この子がいて大丈夫だろうか?」
日本食の事は知っていても、予想通り英語でつまずきましたし、コミュニケーションでつまずくでお店で泣いているときも実はありました。
経営していると誰かがいきなり辞める、ということも発生するので、何があってもいい様に、私も一通りトレーニングしましたが、最終的にはオーナーなので、お客様の接客がメインでした。
正直、最後の3か月くらいは、疲れ切って立っているのがやっとの日もありました。一番最初にお店に行き、最後に帰ってましたし。悩みの種って常にありましたし。
もちろん日本にはこの3年間帰ってません。家の中も掃除が行き届かず、荒れ放題でした(笑)でも、そんなのもどうでもいいってくらいに疲れてましたが。
でもそんな中でも、嬉しかったことは、少しづつ少しづつ、地元の人が私たちを受け入れてくれたこと。
自分の頑張りなど誰も認めてくれないと思っていたけど、見ていないようで見ていてくれる人もいたことが、大きな支えになりました。
お客様と短いながら話をして、食事が美味しいと喜んで下さって、「またくるよ!」と手を振ってくれる姿を見た時が、本当に嬉しかったですね。レシートに「thank you!」と一言書いてあるとか、家族の様に仲良くなったお客様ができたとか。
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この2年間、よくやったと思います。一言でいうなら「燃え尽きた」だと思います。出来ることをやる、目の前のことに全力で取り組むしかできなかったけど。
「この店で一番よくやっているのはあなただ」
「あなたが一番成長した」
という言葉を頂いて、こっちでいいのだろうか、と模索しながら進んでいた方向が、間違ってなかったのだと感じホッとしています。
お店を売ったことに後悔はないけど、お客様と会えなくなるのは、寂しい・・というのは今後わいてくると思いますが。
2年という経営期間ははたから見れば短いのかもしれません。
でも自分のやれることはやって力を出し尽くしました。人生で一番働いた。破産という形で急に店を閉めていくレストランがある中で、自分たちはオーナー権を買った時よりも高い値段で売却できた。
だから今日を迎えて、そして今、後悔はありません。
レストラン経営をやってみて、「実際にやることでしかわからないんだな」という学びがありましたし、経営での学びは非常に大きかったです。大変なことが多かったですが、それ以上に得た知識と経験は、何物にも勝るものだというのは断言できます。
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