アメリカでオーナー経験のある私が学んだ経営者と従業員のほど良い心の距離感
アメリカで就職経験ないまま、いきなりレストランのオーナーになったのですが、経営していく中で、他の多くのレストランが破産したり、突然店を閉めるという現実を私たちは見てきました。
新しいレストランが至る所で次々とオープンしている一方で、寂しくひっそりと幕を閉じるお店が多くあるのもまた現実です。
そんな厳しい状況の中、アメリカで初めてお店を持った私たち夫婦は、経営経験ゼロでスタートしたわけですが、レストランを買った時よりも高く売る、ということが出来ましたし、本当に地道に経営しましたし、よくやったなと思います。大変だったけど、楽しかった、という想いもあります。
もちろん失敗したこと、そこから得た大きな学びもあります。
今回は私が経営するなかで失敗した「従業員と仲良くなり過ぎた」ということをお話します。
私たちがレストランを居ぬきで買ったとき、幸運なことに、前オーナーの時から働いていた従業員も残って一緒に働いてくれると言ってくれました。
夫はアメリカでの就職、また管理職経験がありましたし、英語力もありましたが、私はゼロゼロだったので、レストランの事をすでに知っている人達の中に、経験値ナシの私がいきなりやってきて、仕切る立場になったという感じになりました。しかも私が最年少でした。
とは言っても、私は日本での従業員の経験しかなかったので、従業員の考え方がなかなか抜けませんでした。経営者の目線を確立するのにも時間がかかりました。
何をしていたかというと、従業員と仲良くなりながら仕事していたのです。
私は従業員の方からまずは一通りのレストランの仕事を教わったので、そういった経緯や、自分が一番年下なんだから・・ということも関係していたのかもしれません。
でも従業員と一線を引かなかったことは、自分の立場をちゃんと認識していないこともであり、甘かったと思います。
今思えば、「ここですごく失敗したな」と感じます。
私は従業員と仲良くすることが悪い、と言いたいのではありません。仲良くなることは良いことだと思います。
でも、従業員は友達ではない、ということは認識すべきだということです。なぜかというと、「なすべきことを言う」ことがしにくくなるからです。
これをやって欲しい、あれをお願いしたい、このやり方に変えて欲しい、と思っても、これを言ったら嫌われるのではないか、辞めてしまうのではないか、と考えてしまって、現に強く言うことが私はなかなかできませんでした。
仲良くなった為にプライベートの事も深く知っているので、「彼女は今、こんな状況だから、これは言いにくいな・・」と思ってしまったり。
でも、本来の目的は何か、っていうことです。
私たちの目的は、従業員と仲良くなることではなく、お店の売り上げをあげていくこと、お客様に想いを届けることです。
みんなと仲良くなりたい気持ちはあります。
でも、従業員に気を遣って、言いたいことも言えないのであれば、経営者としては失格だし、やって欲しい、こうして欲しいということは、言うべき時は言えないといけません。
その為に、最初から一線を引いておくべきだったと思いました。
もしくは嫌われてもいい、という覚悟が出来ているか。これは孤独にもつながりますが、経営者がよく従業員に煙たがれたり、嫌われているのは、何が最優先かをわかっているからでもあり、言うべきことを言う役目だからであり、その結果嫌われ者になる傾向があるのはわかる気がしました。
良い人ではやっていけない、と言いますが、本当にその通りだと思いました。
●「覚悟を決めると結果が変わる!アメリカで飲食店を開業した日本人夫の本気」
職場では仲良くする、よりも信頼関係が大事なのだと思います。
例えば、「この人とは波長が合わないな」「考えが違うな」という人職場にいますよね?
でも「この人とは気が合わないけど、この人に頼んだら確実にやってくれるんだよね」と信頼できる部分があると、チーム力って上がってくと思いませんか?
私もいました。
正直、彼の考えは好きではない。でも料理に対する愛は誰よりもある。それは私も認める、という信頼です。
普段はあまり話しませんでしたし、微妙な雰囲気の時もありましたけど、仕事に対しては信頼があったので、彼の仕事がしやすいように出来ることをするとか、彼に応える為に、自分も担当の仕事の精度を上げていこうとしてました。
目的に向かって協力していくのがチームですが、協力していく過程で大事なのは仲良くすることよりも信頼関係が大事だと思います。
それも一方的な信頼ではなくて、相互の信頼関係ですよね。
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従業員の方とは一線を引くべきだと気付いてからは、良い意味で多少距離を置きました。
仲良しこよしでやってもだらけますし、距離を置いた方が効率が上がりました。
次に自分が経営者になっても従業員になっても、私は良い意味で一線を引いて仕事をするつもりです。
あとはそこから必要ならば、もう少し近づく、もしくは距離を遠ざけるなど調整することにより、相互の信頼関係を築いていけたらいいと思います。
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