アメリカの高い医療費を現地で実感!米の保険の仕組みは知っておくべき
アメリカの医療は高いと言われますよね。これはウソではなく本当に本当です。医療費だけではなく保険料も高いですし、日本にいるときの様に病院に気軽に行けません。以前は医療費で破産するなんて、ウソでしょ?なんて思っていたのですが、実際にアメリカで暮らしてみると、ウソでは無く真実に近いなと思います。
まず日本とアメリカでは保険の仕組みが大きく異なっています。
日本・・保険は国が発行し、加入は義務
アメリカ・・保険は民間が発行し、会社を通して入るか、自分で入らなければ未加入
アメリカは国が保険の加入に介入していません。国が介入しているものもあるのですが、65歳以上(メディケア)と低所得者(メディケイド)のみになります。オバマケアでは医療保険に入る義務を課し、未加入の場合はペナルティがありましたが、現在では連邦レベルではペナルティは無くなっています。
それ以外だと勤務先の企業が提携している民間の保険に入るか、自営業なら自分で選んで民間の保険に入りますが、保険に加入が義務ではないので、選択肢として保険に入らない人もいることになります。
医療費が高いので、保険が無いと目玉が飛び出る様なとんでもない金額を請求されますし、かといって保険料自体も高いので、保険に入らない、入れない人達がいるのがアメリカの現状です。
入る保険によってカバーする範囲や自己負担の額が変わるというのもアメリカの医療保険の特徴なのですが、これがわかりにくいし、ややこしいなあと思います。自分で調べて自分に合うものを探したり、保険料を見比べて決める必要があるんです。会社提携の保険でも、入社している本人だけしかカバーしない所から、家族もカバーしてくれる所まで様々です。
アメリカの医療保険にはいくつかあるのですが、主流になっているのはPPOとHMOです。どちらがいいとかではなく、どちらも一長一短あります。
PPO・・月額が安いのですが、病院にかかった場合の自己負担が多い。希望の治療や検査を受けることが出来る。
HMO・・月額が高いのですが、病院にかかった場合の自己負担が安い。希望の治療や検査を受けられないことがある。
日本には国民皆保険制度がありますよね。公的な保険に強制的に入ることで3割負担で済むので、それがゆえにすぐ病院行っちゃう人が多いですが、アメリカだとちょっとの事でも病院には行けないのは医療費が高い上に、保険に入ってない人もいるからというのが理由だと思います。
実をいう私もアメリカで保険に入っていなかった時期があり、それにも関わらず病院に行った経験があります。
医療費が高いというのは知っていたのですが、でも自分の体の方が大事だし、高いと言ってもそこまでじゃないでしょう?と高をくくってました。
ところが・・。
自分は甘かったです・・。
婦人科系に行って医療器具で体内を確認しただけなのですが、その日の支払い請求が1440ドル(単純計算で14万4千円)でした。
予想していたより高かったですが、まあこんなもんかと思い、支払いを済ませて帰宅しました。受付のおばさんが「今日の請求は1440ドル」という言い方が気になっていました。
で後日。
ある日ポストを開けたら313ドルの請求書が届いてました。
は?
そしてある日、ポストを開けたら請求書927ドル。
またある日ポストを開けたら4320ドル。
泣きたくなりました。ポスト開けるたびにまた何か請求書が来ているのではないかと恐ろしくなりました。
請求金額の合計は7000ドルに膨れ上がり、アメリカの医療の怖さをまざまざと思い知りました。
である日また請求書が入っていたのですが、それは過剰請求で病院のミスでしたが、って40万円も間違えないでくれよ!!と憤慨しながら病院に確認しに行きました。アメリカって適当なところが多いですが、請求だけはキッチリしているんですよね、どういうわけか。あと病院の中が超豪華で、こんなホテルみたいにしなくていいから安くして!と言いたい。私は病院の近くを通る度に病院めェ!と思う様になりました。
あとアメリカでは医療が専門化されていて請求書が別々だというのはこの時知りました。放射線治療したらそこから、緊急で見てもらったらその部門から請求が来ます。日本は請求1回まとめて終わりですよね。
そんなことがあって夫は転職の際に会社が保険をどのくらいカバーするかを1つのチェック項目にしていました。
あと個人で保険に入ったこともありますが、月400~500ドル位した気がする。高かったです。でも入った方がいいですよ。
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現在は夫の会社が扶養家族である私の分も100パーセントカバーしていて、超ありがたいと思います。会社により保険は本人だけとか、扶養家族分はカバーしないとかもあるので、確認した方がいいです。
となると企業の負担も大変ですね!
保険無くて大病患ったら本当に破産ってあるんだなと危機を感じますし、自分自身も実際に体験したので、話を盛っているわけじゃないとわかりました。これ、ただの検査じゃなくて手術とかを保険無しでしてたら私相当やばかったと思います。
でも保険に入っていたとしても気を付けないといけないと思います。なぜかというと、例えば自己負担20パーセントとなっている保険でも、医療費自体が高かったら20パーセントでも高額な代金を請求されるからです。でも、一定の金額、例えば2500ドル以上治療費にかかったらそれ以上払わなくていいout of pocket limitがなどありますし、やっぱり保険は安心です。
保険に入っていれば医療費で破産するというのはほとんど無いのではないかと思うのですが、抜け道がありそうですから、この辺はちょっとよくわかりません。
でも自分の健康には気を付けようと思いました。
アメリカの医療費が高いのは国が介入してないからに尽きると思います。民間の医療機関が人々の為に治療している、というよりビジネス感覚が非常に強い感じがします。
薬も高いですが、研究費だ設備投資の為だと言って値段をあげて行き、一つの会社が新しい薬をつくれば、他に誰も作れないので売りたい値段に吊り上げることも出来てしまいまうそうです。
あとドクターになる為には学校に通いますけど、医学部の学費が高いからというのもあると思います。私の友人も今、医者になる為に学校に行っていますが、借金して勉強している学生も多いと言っていました。その金額が1000万円単位なので、医者になって高い給料をもらわないと割に合わないようです。あと将来は子供を医者にさせたいと言っている方もいますし、奨学金を得て、医学部を卒業した人はホントにラッキーだったと言っていました。
また医療過誤による裁判を恐れて医者が患者に必要以上に多くの検査をしたりします。そうするとその分患者への請求が高くなるので、それも医療費が高い理由だと思います。
あとこれは私の感想ですがアメリカの医療技術は最先端だけど、医者の技術はばらつきがある印象があります。地域によってもどこどこの医者はレベル低いとかあると思いますよ。
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アメリカでは30ミリオン(3000万人)のアメリカ人は保険に入っていないそうです。保険に入っていなくて1つの重い病気にかかったら破産に繋がるというのはウソでも何でもないと思います。
政府が介入した方がいいのではないかと思うのですが、それは簡単じゃないのでしょうね。少なくとも、もっとわかりやすいシステムにして欲しいと私は思いますし、医療や保険に対して関心は持った方が良いですし、知った方が良いです。アメリカで保険ないのはヤバイです。あるだけで大分違うのでまずは保険入ってないのであれば調べて入る、入っているのであれば、どこまでカバーされるか、自分の保険が適用になる病院はどこなのかなど病気とか怪我する前に確認しておいた方が良いと思います。
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