なぜこんなに高額なの?アメリカの大学の学費が日本と比べて高い理由
世界の大学トップ10のうち、7、8つがアメリカの大学で、そのうちのほとんどが私立大学なので、アメリカでは州立(公立)よりも、私立大の方がレベル高いです。(参照→ベストグローバルユニバーシティランキング) ※アメリカは州の力が強いので、州立大があっても国立がほとんどない
でもその分、学費の高さもトップレベルです。
(出典:https://www.usnews.com)
アメリカ私立大学の学費・・単純計算で、年間およそ368万円(有名私大は500万円はいくと思う)
アメリカ公立大学の学費・・単純計算で、州内の生徒は年間約101万円、州外だと225万円(大学により州立でも高い所はあります)
州立なら私立程学費はかからないですが、留学生の場合は州外の扱いになります。あとグリーンカードを持っていても、その場所に1年間住んでいないと州内の生徒の扱いにならないなど決まりがあるのですが、その州に住んで税金を納めているかが大事なので(多分)、しょうがないといえばしょうがないですね。
おまけに私立も州立も、学費が年に3、4パーセントくらいずつ上がり続けています。
これにプラスして寮費・食費とか教科書代もかかってきます。以外と教科書代が高くて、1冊の本100ドルとか200ドルとかするんですよ。なので私はUsedを安く買っていましたし、他の生徒は友達同士で貸しあったりして安く抑えてました。
これらを支払っていく為、生徒は学校に通いながら働いたり学生ローンを組んだりします。奨学金や補助金を利用したとしても生活費などは生徒や親に負担がかかってきます。アメリカでは返す必要のない奨学金等が充実しているのは凄いなあと感じますが、こういった機会があることで大学のイメージアップにもつながっていると思います。
アメリカの教育は高校までが義務教育で、大学以上は本人の責任という考えがあります。なので家庭により違いはあると思いますが、教育費は本人が負担する、と考えるようです。ここが日本とはちょっと感覚が違いますよね。日本だと大学も親が負担している家庭が多いのではないかと思います。
学生ローンは簡単に借りられるので、私立大の学生の75パーセントがローンを抱えているというようなことが起きるわけです。平均にすると何百万円という額、更には1000万単位でローンがある学生もいて、そうすると30代とか40代まで払い続けることになるわけです。社会人になってから大学院に行ったけど、仕事を抱えたり、メンタルの問題があったりで通えなくなり、大学院をやめざるを得ない人もいます。そういった人達にはローンが重くのしかかります。
結構これは問題になっている話ですが、なぜここまでアメリカの学費は高いのか気になったので調べてみました。
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大学が生徒を引き付ける為に、立派なスタジアムや新しい寮など施設を建てたり、最新設備を投入したりしてお金がかかっているのが理由の1つです。これらを維持するために高い学費を払ってもらう必要があるんじゃないかなと思います。
アメリカではアメリカンフットボールが大変人気ですが、大学のフットボールも今は凄いビジネスになっています。アメフトは野球よりも人気で、プロの選手やコーチは高額報酬を貰っていますが、大学のフットボールのコーチもプロの選手に負けないほど凄い高い給料を貰っていると思います。
あと少人数制のクラスを敷いているなら教員を増やす必要がありますし、優れた教授陣が必要なら高い報酬で引き抜いたり、高いお給料を支払ったりします。教育や研究に直接関係のない職員や管理職への給料も増えているようです。
また州や国からの補助金が減ったのでその分生徒が授業料を多く払って賄っていることになります。
ぶっちゃけ大学はお金が無いなら学費をあげればいいと考えているのかなと思います。
なので学費が高いのは、誰が悪いとかではなく、そういうアメリカのシステム全体による様です。
ハーバードやスタンフォードなどは多くの人が通いたいと思っている大学だし、親が通えば子供達にも通って欲しいと思っているので、卒業生や企業からかなりの寄付が集まっています。
集めた寄付金はどこに行っているのか?大学がお金持ってるならなぜ授業料をあげるんですか?ということなんですけど・・。
実態としては、寄付の5パーセントしか使っていないそうです。残りは土地を買ったりヘッジファンドや株に使われていて、いざとなったら土地を売ってお金にしたりするとしています。また大学としては寄付を授業料下げることに使わないのは、寄付を維持しておく為、特別なプロジェクト用に取って置くためと言っています。
お金を持っているということは、有名私立は力を持っていることで、これに対しては、もはや大学ではなく企業?という意見もありますし(しかもやりくり上手い)、寄付しても学費上がっているなら寄付は良いことなのか?違うのではないか?と疑問に思っている人もいるみたいです。
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医療の分野と同じで大学もかなりビジネス化していると思いました。教育とはあまり関係のない設備投資にお金をかけて学生を誘致して、その為に学費が上がるのはイタチごっこに近い気がします。
企業が大学卒業レベルの人材を望む傾向になっているし、将来高収入の職につくことを期待して生徒もローンを組んででも大学に行くわけですが、でもそれは金額と見合ってなかったり、意味がないと大学やめる人もいるし、学費以上のメリットあるのかなあ?そう考え続けながら学校に行っている人もいます。学位とってもその学位が役に立たず、希望の職に就けない場合も多いです。卒業したとしても負債を抱えてしかもなかなか回収できない場合もあります。
ただ単に大学出たいというのであるなら、お金だけかかって無意味になる可能性が非常に高いと思います。それは日本でも変わらない事だとは思いますが・・。
教養という意味では、実生活に必要のないことを大学で学ぶことは意味がないとは思いませんが、学費がここまで高額な以上、大学で学んだことが実生活や就職に活かせて、仕事に直結するような実用的な分野を学んでいくことが良いんじゃないかなと私は思います。特にアメリカに住む外国人にとっては猶更だと思う。
それにしても一度社会人になっているならまだしも、18歳で借金背負うとかちょっと酷な気がする・・。しかもこんな若さでも自分の人生設計をしっかり立てている人はいるんでしょうけど、割合的には少ないと思うし、こう考えて進んだけど、この学部じゃなかったとかもあると思うんですよね。18歳になるまでに精神的に自立するように導ければいいのでしょうけど。
私は教育は大事だと考えていますし、いい大学は志が高い人が集まっているのでそういった出会いも大事だと思うのですが、でもこの金額は・・と感じずにはいられません。
アメリカの高額な学費問題を解決するには簡単ではなくて、例えば収入の割合により返済していく方法とか、授業料無料とかフリーカレッジにすればいいのではという案もありますが、じゃあ誰がその分を払うの?という疑問も出てきます。政治も絡んでたりと、問題解決はシンプルではないようです。
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