移民問題を現地で実感!トランプ大統領の移民政策&メキシコの壁わかりやすく
2017年の1月に大統領に就任したドナルド・トランプ。1期は4年なので、2021年の1月20日まで任期があります。同じ人物が2期まで大統領に選出が許されており、トランプ大統領は次の選挙にも出馬します。
彼の掲げた公約にはメキシコ国境に壁をつくる、税制改革(法人税率引き下げ等)、オバマケアの撤廃と新制度へ置き換え、TPPからの離脱などがありました。
今回はそのうちの移民政策についてみていきます。
(出典:wikipedia)
トランプ大統領の選挙公約には色々とありましたが、不法移民対策はその要で、メキシコとの国境に壁をつくる!と宣言していたのはあまりにもインパクトがありました。
国境に壁をつくる理由として、メキシコ移民は麻薬密売人や強姦魔だからという、これまたとんでもない発言だったのは記憶に新しいと思います。
当初は壁の建設費をメキシコに支払わせるとしていましたが、メキシコはもちろんこれを拒否。
国境に壁を作るというのは言っているだけで本気じゃないと最初は思っていたのですが、現状を見る限り本気で実行しようとしていますね。
【アメリカとメキシコの国境。赤とオレンジは2017年より以前から既に存在するフェンスがあるエリア。出典:https://www.bbc.com/】
アメリカとメキシコの国境は全長3200㎞程ありますが、そのうちの約半分は山や川などがあり侵入が困難な場所なので、残りの半分の国境線に壁を建設するとしています。全域にではないですが国境には既にフェンスがあり、大統領はそれをもっと強固な壁にしたり、無い所には新しく作って伸ばしていくという計画の様です。
壁の建設は3800億円の国防予算を建設費にするなどして始まっています。
現状は64マイル(=約100㎞)出来ていて、2020年までに450マイル(725㎞)をつくるとしています。
ただこれは壁でなくてただ取り換えているだけだとか、壁にお金を使うのではなく医療のこととか違う事に使った方が良いという厳しい意見が出ていますね。
不法移民に対してのメキシコ政府の対応が不十分だとして、メキシコからの輸入品に対して5パーセントの追加関税をかけようとしていたのですが、メキシコ政府が、不法移民や密入国仲介組織を取りしまりを強化することで合意し、関税の発動は見送りになりました。
ちょっと脅しにも取れますが、メキシコ関税は今のところ無期限停止としています。
難民認定を求めて不法入国した移民を厳しく法律で裁く、ゼロトレランス政策(不寛容)を導入。
不法移民の親が拘束されると、子供とは引き離されていましたが、親子が引き離されることに批判が相次ぎ、これに対しては停止の措置。
でも厳しく取り締まる姿勢は崩していません。国内では強制送還命令の出ている不法移民を一斉検挙したりしました。
またドリーマーの問題もあります。
幼少期に親に連れられてアメリカに不法入国した人達はドリーマーと呼ばれます。
彼らは小さい時にアメリカに連れてこられているので、母国を覚えていなかったり、既にアメリカ人の意識でいる人や、英語しか話せない人が多いです。オバマ大統領の時に不法移民に与えられた特別滞在許可DACAを取得することで合法的に滞在しています。
トランプ大統領がこのDACA廃止を宣言しました。その後、彼らに新たな道を与えると方針を打ち出したのですが、今のところ現実性が不透明になっています。
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なぜ不法移民が減らないのかというと、特に中南米の国は貧しくて犯罪が横行しているなどが根底にあります。それにプラスして、非合法の移民を雇用している人がいる為です。
不法移民の人達は農業やサービス業などに就くことが多いですが、安い労働力を必要としている人がアメリカにはいて経済を支えている、という現状があります。彼らはアメリカ人がやりたがらない仕事を安い賃金でやってくれています。
なので実際は彼らがアメリカ人の職を奪っているというより、中国ですとか時代の流れによるところが大きいのですが、実際のイメージとはかけ離れていると思います。
でもよくないイメージを中南米の人に抱く人が多い以上、それに対してトランプ発言が支持されているという構図です。雇用奪ったのが非合法の移民ではなくても支持固めの為、トランプ政策は共感されやすいのだと思います。
中南米からくる不法移民の中には確かにギャングや麻薬を持ち込む人ががいるかもしれないけど、それはほんの1部で多くの人は静かに暮らしています。
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(出典:https://www.bbc.com/)
トランプ大統領は、移民政策で学歴や英語力の高い人を優先したいという考えを持っています。家族の呼び寄せを制限して、能力ベース(雇用や技術)にしたいと考えています。
ただこの提案は民主党が過半数を占めている下院がオッケー出さないと通らないので、今の所は現実的ではありません。
でも次の選挙で再び大統領になって、下院も共和党が過半数を占めた場合はわかりません。
年間110万人ほど永住権が付与されているのですが、その数を維持するとしつつも家族ベースの呼び寄せを制限したり、抽選グリーンカードの廃止をしたいそうです。
優先順位を家族ベースから能力ベースにしたいと考えているので、ますますアメリカで永住権を取るのが難しくなると思います。
自分自身が移民としてアメリカで暮らすようになり、移民問題を身近な問題だと捉えるようになりました。
ビザやグリーンカードなど米国での滞在を証明する書類の手続きが遅れたり、厳しくなったりということがありますし、アメリカに暮らす日本人や今後渡米する人にとって移民政策は生活に直結するので、トランプ大統領の政策の中でも関心が高いと思います。
海に囲まれて陸の国境がない上に、移民に対して消極的だった日本では、メキシコ国境の壁に関する論争は、インターネットで情報が入ってくると言っても中々実感しにくいかもしれません。物理的には日本とアメリカは遠いので、身近な問題としては感じにくいと思います。
でも日本は少子化でどんどん人口が減っている現在、いずれ移民政策の重要性は高まるので、良いか悪いかは別としても学ぶことはあるのではないかと思いました。
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